順調に推移する「くりっく株365」
東京金融取引所では、2010年の11月22日に世界の主要な株価指数である日経225、DAXG、FTSE100、FTSE中国25の取引所OFDである「くりっく株365」を上場した。震災による株価の下落や証拠金基準額の急騰から、取引数量が一時的に減っているものの、取引口座と預かり証拠金残高は4月央でそれぞれ8,500口座、約20億円と順調に伸びてきており、市場が落ち着さを取り戻せば、取引数量も再び増加トレンドに戻ると見ている。
「くりっく365」の機能をCFDに
「くりっく株365」では、レバレッジ取引や期限のない取引といったCFD本来の強みに取引所FXである「くりっく365」の機能を追加することで、商品としての魅力を高めている。特に3月の株価急落を経験し、「くりっく株365」の強みとして、以下の点に注目が集まっている。
@ロスカット取引の義務付け
「くりっく株365」には、有価証券デリバティブの取引所取引分野では初めてとなるロスカット取引が義務付けられている。FXでは広く浸透しているリアルタイムによるリスク管理機能が、3月中旬の相場の乱高下でも投資家の想定を上回る損失拡大防止に役立った。
A日経225証拠金取引ならほぼ24時間取引か可能
「くりっく株365」の日経225証拠金取引の取引時間は、朝午前8時30分から翌午前6時まで(米国夏時間適用時には午前5時まで)となっており、日本の取引所に上場された株価指数では初めて、24時間の取引が可能となり、昼休みや夜中の米国市場の時間帯における相場の動きにも対応できるようになった。
B完全マーケットメイク方式の採用
複数のマーケットメイカーが提示する価格の中から最も安い売り価格(売り気配)と、最も高い買い価格(買い気配)で取引できる完全マーケットメイク方式を採用している。オークション方式と異なり、新規銘柄や流動性が乏しい状況でも安定的な価格提供ができる点が「くりっく株365」の強みである。
C海外株価指数を円建てで取引できる
「くりっく株365」では、海外の株価指数に100円を乗じた金額をそのまま取引できるため、為替レートの影響を考える必要がない。また、通貨毎に別口座を開設するといった手間もいらないことが、海外株価指数の取引を後押しした。
「くりっく株365」の投資家層
「くりっく株365」の上場時には、FXや株価指数先物の投資家が対象になると考えられていたが、上場後のアンケート調査で、意外にも株の信用取引や個別株や投信の投資家層が取引参加者の上位にランキングされていることが判明した。
「くりっく株365」や店頭CFDには、既存の株価指数先物にはない金利一配当相当額の受け払いという仕組みがある(注1)。これが、現物株の配当と同じ役割を果たし、信用取引や個別株の投資家層にも受け入れられたのではないかと見ている。
実際に、3月28日取引終了時には日経225証拠金取引において原資産とほば同額の配当相当額8,541円(1取引単位)が配当として支払われた(図表4)。「くりっく株365」の場合には、店頭CFDで見られる金利相当額の上乗せは行わないため、よりストレートに配当によるインカムゲインを楽しむことができる。日経平均株価の配当利回りは日々、日経新聞の紙面(証券面『クローズアップ日経平均株価』)で確認することができるが、4月6日時点では年1.88%となっている。
市場活性化に向けた課題
CFDと聞くと、残念ながらリスクが高い投機的な商品として、マイナスのイメージを思い浮かべる方が多いのではなかろうか。
日本でCFDや商品取引がなかなか定着しない原因の一つとして、投資家保護という名のものに、不招請勧誘の禁止といった非常に厳しい規制が課せられていることが挙げられる。過度の投資家保護と規制強化により、魅力的な金融商品の成長の芽が摘まれるようなことになれば、日本の投資家のスキルアップが望めないだけでなく、アジアにおける東京市場の地盤沈下を加速することになる。
しかしながら、より重要なのは、業者自身が協会や取引所と協力し、十分な商品説明やリスク管理のための投資家教育を通じて、より多くの投資家が安心してCFDを取引できる環境づくりに取り組んでいくことであろう。CFDは個別株・投信、ETFから、株の信用取引、先物取引といった要素を兼ね備えた画期的な商品である。FXが投資家に受け入れられたようにCFDも日本市場で必ずブレークできる。東京金融取引所としても、「くりっく株365」を通じて、CFD市場の拡大に貢献していきたいとの思惑があるようだ。
注)DAX証拠金取引については配当込み指数であるため、配当相当額の受け払いはない。
ゴールドカード|クレジットカード|ETCカード|
投資もいいけど生活上のクレジットもしっかり管理。人気のクレジットカードのご紹介。年会費無料のお得なカードから車でデート、ドライブに欠かせないETCカードまでを徹底比較。